増補改訂版 『実測図のすすめ ―「もの」から学術資料へ―』
名久井芳枝著
2003年3月9日 B5判 255頁
実測図及びその他の図版279,写真53
定価 3900円(税別) 送料(1冊分)370円
『実測図のすすめ ─モノから学術資料へ』(名久井芳枝著、1986年)の増補改訂版
増補改訂版『実測図のすすめ』は、研究者のその後の成果を踏まえ、初版以後の実測図を大幅に加えて内容の充実をはかりました。また初版では触れなかった発掘資料(考古資料)の実測作図化について、有形民俗資料及び諸外国の民族資料を念頭に、問題提起を試みています。更に資料のデータベース化と検索について、研究者自身が作成している各種のデータベースの互換性をはかる上で行っている方法を、実例で紹介しています。
初版より34頁増の大幅増補ですが、扱いやすさを考えて紙質を薄くし、軽量化をはかりました。
【目次】
- はじめに
- 第1章 「もの」は語る
- 第1節 人の命を支えた「もの」
- 第2節 「もの」はどのように描かれてきたか
- 1.有形民俗資料及び諸外国の民族資料の場合
- 2.発掘資料(無機質素材)の場合
- 3.発掘資料(有機質素材)の場合
- 第3節 発掘資料(考古資料)の実測図における今後の課題
- 1.実測図面上での問題提起
- 2.有形民俗資料の援用
- 3.実測図の表現方法(有機質素材の発掘資料)
- 第2章 「もの」から学術資料へ
- 第1節 人と「もの」の関係
- 1. 「もの」が「もの」として成立する4要素
- 2. 写真や図の長所と短所
- 3. 実測図の特質
- 4. 学術資料とは
- 第2節 実測図の果たす意義
- 1. 学術資料(研究者への情報伝達)
- 2. 啓蒙資料(一般の人々への情報伝達)
- 3. 記録保存資料(未来への情報伝達)
- 第3節 資料の調査とデ-タベ-ス化
- 1. フィ-ルド調査
- 2. 資料のデ-タベ-ス化
- 3. 実測図の整理と保管
- 第1節 人と「もの」の関係
- 第3章 作図のための予備知識
- 第1節 機械製図とその応用
- 1. 製作図と実測図の根本的な相違
- 2.機械のスケッチ
- 3.線の用法と補足表現について
- 第2節 製図の基礎知識
- 1.正投影法と正投影図
- 2.第三角法
- 3.断面図
- 第3節 有形民俗資料の特性に合わせた表現方法
- 1.図面上に補足したい線と記号
- 2.スケッチによる材質表現
- 第1節 機械製図とその応用
- 第4章 実測図の作製
- 第1節 作図用具
- 1.フィ-ルド調査携帯用具
- 2.元図(もとず)作製用具
- 3. 原図(げんず)作製用具と作製の手順
- 第2節 実測図の作製
- 1. 作図類型検索表
- 2. 各作図類型に共通する段取り
- 3. 作図類型毎の計測と図示の要点
- (1) 作図類型
- 例1 手杵(竪杵)
- 例2 鋤 (Ⅴ-Ⅰ類型)
- 例3 地機(ぢばた)(はたおりき)
- (2) 作図類型Ⅱ
- 例1 蒸し器(角形せいろう)
- 例2 はんだい
- 例3 こしき(結い桶形)
- 例4 めんぱ
- (3) 作図類型Ⅲ
- 例Ⅰ こだし
- 例2 キロ(サケ皮製の長靴)
- 例3 つまご
- 例4 わらじ
- 例5 じょうり
- 例6 背中当て
- 例7 簑
- (4) 作図類型Ⅳ
- 例1 わんばり
- 例2 さるっぺ
- (5) 作図類型Ⅴ
- (1) 作図類型
- 第1節 作図用具
- 第5章 参考図例集
- おわりに
- 引用文献