『九十歳岩泉市太郎翁の技術』
名久井文明著
実測図・バックデータ:岩手大学学生
実測図監修:名久井芳枝
1994年9月刊 B5判 224頁
実測図164, 写真164
定価 3,500円(売り切れ)
「良い聞き出し役がいれば、古老は縄文時代と現代を結び付ける語り部にすらなる」
─「天声人語」(1994.09.15)より
杣、木挽き、木工、樹皮加工、藁加工、製炭、薪採り、牛飼い、雑穀栽培および種子食…、かつて人は生きるために多岐にわたる技術をひとりで操ることができました。
市太郎翁と著者が10余年の歳月をかけて、その生きる術を浮き彫りにする。
【目次】
- 北部北上山地を彩る縄文文化の残照
- 雑穀栽培の伝統
- 北部北上山地の山村「端神」─岩泉市太郎翁との出会い
- 種子食の伝統
- 端神における種子食─シダミの処理工程
- 縄文時代と現代をつなぐキーワード「乾燥脱穀法」
- 樹皮加工の伝統
- 植物性素材による編組技術の伝統
- 北部北上山地に伝えられた伝統的諸技術の「もの」による記録
- 岩泉市太郎翁年譜
- 岩泉市太郎翁の造形技術
- 杣・木挽きの仕事
- 杣の仕事─枕木4,000丁造材の現場から
- 岩手県下閉伊郡安家村高須賀葡萄山まで
- 一日の生活
- 物資の購入─「仕送り」のこと
- 杣の賃金の算出方法
- 木挽きの仕事
- 「伊藤萬兵ェ様の挽材のひかえ」から
- 木挽きの賃金の算出方法
- 杣・木挽きの道具の種類と運搬方法
- 杣の道具
- 木挽きの道具
- 伐採から製材までの手順
- 木を伐り倒す
- 枝を落とす
- 長さを決める
- 墨を打つ
- 大どころを削り落とす
- 仕上げる
- 挽く
- 鋸の柄の付け方
- 鋸の目立て、鋸直し、刃焼き
- 杣の仕事─枕木4,000丁造材の現場から
- 木工
- 山村生活における自給的木工技術
- 大工道具
- 樹皮加工
- 樹皮縄について
- 背中当ての製作
- 簑の製作
- こだしの製作
- 藁加工
- つまごの製作
- わらじの製作
- じょうりの製作
- 杣・木挽きの仕事
- 岩泉市太郎翁の生産技術
- 製炭
- 製炭の仕事
- 製炭の仕事にかかわる道具
- 薪(たきぎ)取り
- 薪取りの仕事
- 薪取りの用具
- 牛の飼育
- 山村生活と牛
- 牛の飼育にかかわる用具
- 農耕
- 雑穀の栽培
- 農耕にかかわる用具
- 肥料運搬
- 耕耘・畝たて
- 植え付け
- 除草
- 穂から穀粒をはずす
- 大小のごみを除く
- 計量
- 貯蔵
- 火力乾燥
- 穀粒から皮を除く・製粉
- 製炭
- その他
- 食品の加工・食事にかかわる用具
- 豆腐作り
- 味噌作り
- 餅を舂く
- 調理・食事
- その他
- 住
- 養蚕
- 衣
- 娯楽
- 食品の加工・食事にかかわる用具
- 実測図の監修を終えて(名久井芳枝)
- おわりに
- 付編1 「樹木の用途─木の名前と使用調べ」岩泉市太郎翁筆記
- 付編2 「山根、宇部地方の盆踊り唄」岩泉市太郎翁筆録・採録
- 引用・参考文献
- 索引